君は、何を祈る?
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ご存知の方もいると思うが、我が家は古い。木造二階建ての、中々にオールドスクールなアパートに住んでいる。
そんな我が家ではあるが、長年住んでいることもありそれなりに快適に過ごしている。
その"快適さ"の一端を担っているのは、害虫がほぼ出ない、という点にもある。
しかし、そんな我が家の安全が脅かされる事態が連続して発生している。
害虫界の頂点、頭文字(イニシャル)Gの来訪である。
幸いにもわたしが発見したそれは、既にその生涯を閉じていた。
とはいえ、死してなおソレの存在感は絶大である。
平日の我が家は、さだちゃんがいない。完全にわたしだけの空間で絶望の具現化を目の前にして、放っておくことは許されない。わたしが始末するしかないのだ。
そもそも、何故人類はここまでソレを恐れているのだろうか。
単純な体格差でいうと、生身の人間とゴジラくらい違う。人間がゴジラを恐れても、ゴジラが人間を恐れるのはおかしな話である。
だけど、怖いものは怖い。No reason。理屈じゃないのだ。
どうしたらソレに怯えずに生きていけるのだろうか。
まず、名前が嫌だ。やたら多い濁音、かわいくない字面。濁音を消して、半濁音に置換すると印象は大分変わるのではないか。
次に、見た目が受け付けない。微細は省略するが、あのビジュアルが恐ろしすぎる。
例えば、愛してやまないわんにゃんの様にふわふわしていたら。もしかしたらもう少し愛すべき存在として認識できるのではないか。
それから、動作パターンも恐ろしすぎる。やたら素早く地面を這い、不規則に空を飛ぶ。
某国民的アニメの坊ちゃんの様に、BGMを鳴らしながらぽてぽてっ♪と移動すれば、きっと恐怖は削がれるだろう。
最後に、やつらは人間にとってなんのメリットもない存在であると言わざるを得ない。
それならば、見かけたら1億、処理したら5億というご褒美をつけたらどうだろう。平気な人は勇足で処理するだろうし、苦手な我々も5億貰えるなら、、と己を奮い立たすことができるのではないか。
まとめると。
名前はコキプリ。
ふわふわと愛らしい体毛が身を包み、歩くときはぽてぽてっというBGMつき。その存在を見かけたら1億、処理したら5億手に入る。
これならわたしもソレを受け入れられるかもしれない。
ちなみに。
もし、改変できるのが一箇所だけなら皆は何を望むだろうか。
わたしは『人間の半径10m以内には近づけない』でファイナルアンサーだ。
おわり。