きっと涙は音もなく流れるけれど。

 

なんとなく気怠い出勤のお供に、UAの声が心地いい。

最近さだちゃんがCDレンタルにハマっているのでわたしも便乗してるんだけど、これが中々にいい感じ。

サブスクが主流のこの時代に、レンタルしたCDを取り込む面倒くささと、さだちゃんがセレクトしたCDを聴くわくわく感が最高に丁度いいのだと思う。

 

な〜んて!

音楽通みたいな顔してスタートしたけど、わたしは"音楽"というジャンルに明るくない。

明るくない、というよりほとんど無知だと言っていいレベルだと自覚している。

 

その事実は時にコンプレックスとして、気持ちの隅っこに仄暗い影を落としてきた。

 

わたしが憧れる"文化的な人"たちは、音楽や映画に造詣が深く、その趣味趣向が日常生活のあれやこれやに結びついていることが多いからだ。

 

そんなわたしにとって、〈普段どんな音楽を聴くんですか?〉ほど、苦手な質問はない。

 

軽い気持ちで投げかけられた質問だということは百も承知なんだけど。

なんて答えたら当たり障りがないだろうか、とか、どんな答えを望んでるんだろうか、だとか。脳内に色んな思いをぐるぐる巡らせた挙句、

『あッッッなんか、イロイロ、、、ですかね?』

とヘラヘラ答えることしか出来ないのである。

 

そもそもこの質問に対する最適解は何なんだろう。折角の機会なので、今後いつ聞かれてもいいようにベストアンサーを考えてみることにした。

 

まずはアーティストで答えるパターン。

自分のApple Musicを覗くと、

宇多田ヒカル椎名林檎を筆頭に、電気グルーヴくるりスチャダラパー、EGO-WRAPPIN'、COCCOUAsexy zoneあたりが主力のようだ。

 

この中だと宇多田ヒカルが全方位受けする回答ではないだろうか。

 

『普段ですか?宇多田ヒカルとか聴きますよ!』

 

・・ふむ。早速中々いい感じなんじゃない?

 

次にジャンルで答えるパターン。

困ったことにわたしの音楽偏差値だと曲をジャンルわけすることすら叶わない。

そんな時にもApple Music。

ちょうど今聴いているUAのアルバムはR&Bにカテゴライズされていた。なんか響きもカッコいいし、採用してみようかな。

 

『普段ですか?宇多田ヒカルとか聴きますよ!ジャンルでいうと、R&Bとかですかね?』

 

・・あれ?なんかちょっと鼻につく回答になって来てない?

 

 

最後に、それ以外の何かで答えるパターン。

わたしが音楽を聴いてイイナ!と思うのは、歌詞が素敵な曲が多い。音楽偏差値の低さと活字好きなことが合わさってメロディではなく歌詞に注目するんだと自己分析する。

 

つまり全てを合わせると。

 

『普段ですか?宇多田ヒカルとか聴きますよ!ジャンルでいうと、R&Bですかね?メロディよりリリックに着目しちゃいがちです!』

.

.

.

自分が言ってる姿が全く想像つかない。

きっとわたしは次の機会にもぐるぐる考えた挙句、ヘラヘラしながらこう答えるんだろう。

 

『あッッッなんか、イロイロ、、、ですかね?』