一万年と二千年前から。

 

ある晴れた日の、会社に向かう道すがら。

静岡に住む義母から、庭の桜が満開を迎えたという春の便りが写真と共に送られてきた。

 

満開の薄ピンクの向こうに写る青々としたお茶畑が、間近に迫った出番を待ってるみたいで何だかいじらしいなあ、なんて思っていると。

 

『世の中にたえて桜のなかりせば』

というメッセージ。

 

すかさず『春の心はのどけからまし』と返信を打ち、下の句がぱっと出てきた自分に驚きと誇らしさを覚えながら、考える。

 

この句は、

『この世の中から桜が無くなっちゃえば、咲いた散ったと一喜一憂することもなく、どんなに心穏やかに春を過ごすことができるだろうね。』

みたいな意味なんだけど(ハイパー意訳)、

 

それめっちゃ分かる!

最近の会話ほぼ桜の話題だった!!

みたいな人、結構いるんじゃないかなあ。

 

冷静に考えて、1000年程前の人と同じ感覚なのって凄いことだよね。

 

短歌といえば。

我が家では親戚が集まると百人一首花札をする習わしがあったので、幼少期から短歌に触れる機会が少なくなかった。

子どもの頃はゲームに勝つ為にただ夢中で覚えた31文字だけど、内容を理解するとやっぱり1000年近く前に生きてた人が令和を生きるわたし達と同じようなことを考えたり、悩んだりしてることが分かる。

とりわけ恋愛系の句は共感することが多い気がする。(わたし調べ)

 

そう思うと今SNSでバズってるあれこれや、

チャートを賑わすJ-popの歌詞なんかを、

1000年後の未来に生きる人が、分かるわ〜って共有したりするんだろうか。

 

答え合わせをする術なんてないけど、

普段当たり前に使っている"言葉"が時空を超えるタイムカプセルみたいで、なんだか浪漫を感じずにはいられない。

折角こうしてブログを書いている訳だし、

わたしも1000年後に残る名言を何か捻り出せないものだろうか。

.

.

.

.

うーん。残念。そう簡単には思い浮かばず。

何か思い付いたらまたここでこっそり発表することにしよう。